もくじ
営業の企画書は「資料」ではない
コピーライター思考でつくる、刺さる提案書の作成方法
営業がクライアントに提案するとき、多くの人が最初に悩むのが
「何を書けばいいのかわからない」
「ちゃんと説明しているのに、なぜか響かない」
という問題です。

それもそのはず。
多くの営業企画書は、無意識のうちに 「説明資料」 になってしまっています。

しかし、コピーライターの視点で見ると、企画書の本質はまったく違います。
企画書とは
クライアントの“心を動かし、意思決定を前に進めるための文章”
です。
この記事では、
・クライアントの課題の本質をどう引き出すのか
・消費者のインサイトをどう見つけるのか
・それをどう企画書に落とし込むのか
・クライアントを惹きつけるタイトルのつけ方
を、コピーライターの思考法をベースに、順を追って解説します。
なぜ多くの企画書は「通らない」のか
まず前提として知っておきたいのは、
企画書が通らない理由は、アイデア不足ではない
ということです。
よくあるNG企画書の特徴は、次の通りです。
- 商品・サービスの説明から始まっている
- 機能や強みを丁寧に並べている
- こちらの「言いたいこと」が中心になっている
- クライアントの現状や感情がほとんど出てこない
これは営業資料としては一見正しそうですが、
コピーライター視点で見ると致命的な欠点があります。
それは、
「相手の世界から書かれていない」
という点です。
コピーライターは、必ず
「相手は今、どんな状況で、何に悩み、何を恐れているのか」
から考えます。
この視点がない企画書は、どれだけ立派でも
「ふーん」で終わってしまうのです。
STEP1:クライアントの課題は「言葉の奥」にある
企画書づくりで最初にやるべきことは、
課題を聞くことではありません。
課題の“本質”を見つけることです。
たとえば、クライアントがこんなことを言ったとします。
「最近、集客がうまくいっていなくて…」
ここで多くの営業は、
「集客施策の提案」を考え始めます。
しかしコピーライターは、ここで一度立ち止まります。
- なぜ集客が必要なのか
- 以前はうまくいっていたのか
- 社内ではどう評価されているのか
- 本当は何に一番困っているのか
「集客がうまくいかない」は、あくまで表面の言葉です。
掘り下げていくと、実は
- 社内で成果を求められている焦り
- これ以上失敗できないプレッシャー
- 過去施策が否定される不安
といった感情の課題が隠れていることがほとんどです。
企画書に必要なのは
「施策」よりも「共感」。
この感情レベルまでたどり着けたとき、
企画書は一気に“刺さる”ものに変わります。
STEP2:消費者インサイトは「事実」と「感情」の交差点にある
次に重要なのが、消費者インサイトです。
インサイトとは、
消費者自身もはっきり言語化できていない、本音や無意識の欲求
のこと。
コピーライターは、インサイトを探すときに
次の2つをセットで考えます。
- 事実(行動・状況・データ)
- 感情(不安・期待・面倒・欲望)
たとえば、
- 情報はたくさんあるのに、なぜ選べないのか
- 安いのに、なぜ買われないのか
- 便利なのに、なぜ使われないのか
この「なぜ?」の裏側には、
合理では説明できない感情があります。
企画書において重要なのは、
「消費者はこう考えています」ではなく
「実は、こんな気持ちを抱えています」
と示せるかどうか。
ここまで言語化できると、
クライアントは自然とこう感じ始めます。
「この人、ちゃんとわかってるな」
STEP3:解決策は“正しさ”より“納得感”
課題とインサイトが見えたら、
ようやく解決策を考えます。
ここで注意したいのは、
正しい提案=通る提案ではない
ということ。
コピーライターが重視するのは、
「それ、やりたいです」と思わせる流れです。
そのためには、解決策を
- いきなり提示しない
- 課題 → インサイト → 解決策
の順番で語ることが重要です。
企画書において解決策は
「答え」ではなく
「自然にたどり着いた結論」
である必要があります。
そうすることで、クライアントは
提案を「売り込み」ではなく
「自分ごと」として受け取ってくれます。
STEP4:企画書のタイトルは「中身の要約」ではない
最後に、もっとも軽視されがちで、
もっとも重要なのが タイトル です。
多くの企画書タイトルは、
内容を説明しようとしすぎています。
コピーライター的タイトルの役割は、
「続きを読みたくさせること」
ただそれだけです。

良いタイトルには、次の要素があります。
- クライアントの課題がにじんでいる
- 意外性、または強い共感がある
- 答えをすべて言わない
たとえば、
「SNS施策提案書」
ではなく
「なぜ、今までの施策が反応されなかったのか」
この違いだけで、
企画書の“読まれ方”は大きく変わります。
企画書は「売る文章」ではなく「信頼をつくる文章」
コピーライターの考え方をベースにした企画書は、
テクニック以前に、姿勢が違います。
- 説得しようとしない
- 相手の言葉を信じる
- 感情から書き始める
その積み重ねが、
「この人に任せたい」という信頼につながります。
営業の企画書は、
うまく書こうとしなくていい。
かっこよく見せようとしなくていい。
ただ一つ、
「相手の世界から書けているか」
そこを意識するだけで、
企画書の通過率は、確実に変わります。

営業契約率UPにつながる!(広告)
コピーライター思考を身につけることで営業契約率が格段にUPする!