コピーのつくり方

その違和感、放置してない?“もやもや”が一瞬で言葉に変わる思考法

もやもやを言語化する手法

「なんとなく気になる」
「うまく言えないけど引っかかる」

もやもや

 

──そんな“もやもや”こそ、キャッチコピーの原石です。

ダイヤの原石

実は、刺さるコピーはゼロから作るものではなく、すでに心の中にある違和感や欲求を言葉にしたもの。

だからこそ大切なのは、“うまく書くこと”よりも“ちゃんと感じること”。

この記事では、初心者でもすぐ実践できる「もやもやを言語化する方法」を、具体例つきで丁寧に解説します。

読み終わる頃には、あなたの中にある言葉の種が、自然とコピーとして芽を出しはじめるはずです。


「なんか気になる」を放置しない。違和感を拾う習慣をつくる

キャッチコピーの出発点は、「なんか気になる」という感覚です。ここをスルーしてしまう人は、いつまでたっても言葉が浮かびません。

逆に言えば、この違和感を拾える人ほど、コピーの引き出しは増えていきます。

たとえば、SNSを見ていて「この投稿、なぜか目に止まった」と感じたとします。
そのとき、「面白いな」で終わらせるのではなく、「なぜ?」と一歩踏み込むことが重要です。

・言葉が強いのか?
・自分の悩みに近いのか?
・タイミングが良かったのか?

こうして理由を探ることで、ぼんやりしていた感覚が少しずつ輪郭を持ちはじめます。

さらにおすすめなのが、“違和感メモ”です。
日常の中で引っかかったことを、とにかく書き出します。

例:
・朝、やる気が出ない
・頑張ってるのに評価されない
・SNSを見ると焦る

ここでは整理しなくてOK。

むしろ雑なままでいい。大切なのは、「感じたことをそのまま残すこと」です。

この段階では、まだコピーにする必要はありません。
素材集めです。コピーは“編集”であって、“創作”ではありません。
だからこそ、まずは素材をためることが何より重要です。

違和感を拾うクセがつくと、日常が一気にネタだらけになります。
これができるようになると、「ネタがない」という悩みはほぼ消えます。


「もやもや」を分解する。感情・状況・本音に分けて考える

もやもやをそのまま言葉にしようとしても、うまくいきません。
なぜなら、もやもやは“混ざっている状態”だからです。
そこで必要なのが「分解」です。

もやもやを、以下の3つに分けてみてください。

 

①感情(どう感じているか)
②状況(どんな場面か)
③本音(本当はどうしたいか)

 

たとえば、「仕事がつらい」というもやもやがあったとします。

これを分解すると──

 

①感情:イライラする、疲れる、やる気が出ない
②状況:上司に認められない、残業が多い
③本音:もっと評価されたい、楽になりたい

こうして分けることで、「何が問題なのか」がはっきり見えてきます。

ここでポイントなのは、“きれいにまとめないこと”。
むしろ矛盾していてOKです。

 

例:
・辞めたいけど辞めたくない
・頑張りたいけど頑張れない

 

この“ねじれ”こそが、強いコピーのタネになります。

たとえばこの状態から生まれるコピーはこうです。

「頑張りたいのに、頑張れないあなたへ」

シンプルですが、多くの人の心に刺さりますよね。
なぜなら、“そのまま”だからです。

もやもやを整理するのではなく、「見える化」する。この意識が重要です。


「一言で言うと?」を繰り返す。核心を削り出す技術

分解したあとにやるべきことは、「一言で言うと?」を繰り返すことです。
これが、コピーライターの“削る力”です。

 

たとえば、さきほどの例。

 

・評価されない
・疲れている
・やる気が出ない

 

これをまとめて、「一言で言うと?」と問いかけます。

すると、こんな言葉が出てきます。

 

・報われない
・しんどい
・空回りしている

 

さらにここからもう一度、「一言で言うと?」と絞ります。

→「報われない努力」

ここまでくると、一気にコピーっぽくなります。

重要なのは、“説明しないこと”。短くするほど、強くなるのがコピーの特徴です。

初心者ほど、情報を足そうとします。
でも逆です。削ることで、伝わる。

 

具体例をもう一つ。

元のもやもや:
「副業したいけど、何から始めればいいかわからない」

分解→
・不安
・知識不足
・行動できない

 

一言で言うと?
→「最初の一歩がわからない」

 

さらに削る
→「はじめ方がわからない」

 

コピー化
→「副業、何から始める?」

このように、“削る→磨く→尖らせる”の流れを意識してください。


「誰のもやもやか?」を決める。ターゲットを具体化する

いいコピーが書けない原因の多くは、「誰に向けているか」が曖昧なことです。

同じ“もやもや”でも、人によって言葉は変わります。

たとえば「仕事がつらい」でも──

 

・新卒1年目
・子育て中の主婦
・40代の管理職

 

それぞれ、悩みの質が違いますよね。

だからこそ、「誰のもやもやか?」を明確にする必要があります。

具体的には、ここまで決めてください。

 

・年齢
・性別
・職業
・状況

 

例:
「35歳・女性・主婦・子育てしながら在宅ワークを始めたい」

 

ここまで具体化すると、言葉の精度が一気に上がります。

たとえばコピーも変わります。

 

NG:
「副業を始めたいあなたへ」

 

OK:
「子育てしながら、家で収入を増やしたいあなたへ」

子育て副業

 

一気に“自分ごと”になりますよね。

コピーは、「誰か一人に刺さる言葉」です。全員に向けた言葉は、誰にも刺さりません。

ポイントは、「たった一人を想像すること」。その人に話しかけるように書く。

これだけで、コピーの力は何倍にもなります。


「そのまま言う勇気」。飾らない言葉が一番刺さる

最後に、もっとも重要なことをお伝えします。

それは、「うまく言おうとしないこと」です。

初心者ほど、かっこいい言葉や難しい表現を使おうとします。
でも、それは逆効果です。

なぜなら、人の心を動かすのは“リアルな言葉”だからです。

 

たとえば──

 

NG:
「自己実現をサポートします」

 

OK:
「このままでいいのかな、と思ったあなたへ」

 

後者のほうが、圧倒的に刺さりますよね。

 

これは、“もやもやをそのまま言っている”からです。

さらに例を出します。

 

NG:
「新しいキャリアを築こう」

 

OK:
「今の仕事、このままでいいの?」

 

シンプルで、ちょっとドキッとする。この“引っかかり”が大事です。

コピーは、「きれいな文章」ではなく、「止まる言葉」。

そのためには、“そのまま言う勇気”が必要です。

 

最後に覚えておいてほしいこと。

 

・うまく言わなくていい
・正しくなくていい
・でも、正直であること

 

これが、心に刺さるコピーの本質です。


まとめ

キャッチコピーは、特別な才能ではなく“観察と整理の技術”です。

日常の中の違和感を拾い、それを分解し、削り、誰か一人に向けて、そのまま言葉にする。

このシンプルな流れを繰り返すことで、自然と刺さるコピーが生まれます。

最初はうまくできなくて当然です。

でも、もやもやを見逃さず、言葉にし続けることで、確実に力はついていきます。

大切なのは、「うまく書こう」とすることではなく、「ちゃんと感じること」。

あなたの中にあるその違和感こそが、誰かの心を動かすコピーになるのです。

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