簡単にキャッチコピーが書けるようになるトレーニング
コピーライターの仕事は、商品を買ってもらったり、サービスを利用しても らうための宣伝文句をつくることが基本です。
ある意味、コピーライターは文章を使った「営業」という役目を担っているのです。
でも、セールスをしたことがない人にとっては、難しく感じられてしまうかもしれませんね。
「営業なんてしたことないし、自分には向かない」と。
そんなときは、「営業ごっこ」をしてみるのです。
「営業ごっこ」と言っても、子どもがするようなごっこ遊びとは違います。
フリーマーケットに出店することを想像してみるのです。
リアルなフリーマーケットを想像するのが難しい場合は、メルカリやラクマなどのフリマアプリでもOKです。
そして、売るモノを1つ決めて、実際に売る様子をイメージします。
もしも、売ってもいいモノがある人は、メルカリで本当に販売してみてもいいですね。
イメージしやすいように、具体的な商品を決めて話を進めます。
「壁掛け時計」にしてみますね。
さて、あなたならどんなふうに商品をアピールしますか?
「安いですよぉ~。早いモノがちですよ」
ちなみに、その時計は半年前に6,000円で購入したものです。
電波時計とは、時刻情報の電話を受信して、自動的に時刻を調整するため、時間が狂うことがありません。

「電波時計だから、時間が狂うことはありませんよぉ。便利ですよぉ」
「6,000円の電波時計を、700円で手に入れられるチャンスですよ」
「文字盤が大きくて見やすいですよぉ」
「アナログ時計だから、一目見ただけで時間がわかりますよぉ」
「学生さんの新生活にいかがですかぁ~」
「これがあれば遅刻することがなくなりますよぉ」
と、あらゆることを考えて、声を張り上げることでしょう。
こんなふうに「物を売るための口上」を考えることが、コピーライターの仕事の基本なのです。
日本には江戸時代からコピーライターがいた!
少し話がそれてしまいますが、日本には江戸時代中頃からコピーライターがいました。
けっこう有名な話なのですが、日本初のコピーライターは平賀源内だと言われています。
平賀源内は、薬学・医学・地質学に精通した学者であり、戯作者や発明家として知られた人物です。
突飛な発想を持つ天才として、江戸では知らない者がいないくらい有名な人物でした。
そんな平賀源内に、鰻屋さんがある相談をしました。
「ウナギの蒲焼きは冬が旬だから、夏になると売れなくて困っているんですよ。まったく商売あがったりでして。何かいい知恵はありませんか?」

そこで源内は考えました。
そして、
「本日土用丑の日」
と書いた看板を店の前に据え付けたのです。
土用丑の日について正確に解説すると長くなるので割愛しますが、春分の日や秋分の日といったように、ある季節を表す日だと思ってください。
「丑の日だから、『う』のつくものを食べると縁起が良い」と源内は考え、それをもとにして「本日土用丑の日」というコピーをつくったのです。
この宣伝文句は大当たりでした。
フリマアプリを練習台にして、売れる文章を作ってみる
まずは、セールスパーソンになったつもりで宣伝文句を考えてみましょう。
何を言ったら、売れるのか。
どんな言葉をかけたら、お客さんは買いたくなるか。
セールスパーソンになったつもりで、ちょっと練習してみましょう。
セールスパーソンがイメージしにくい場合は、フリーマーケットの出店者でもいいですし、自分がお店をやっていると想像してもかまいません。
かっこいいコピーを書こうなどと思わず、売ることだけを考えてみましょう。
そして、実際に書き出します。
次に、考えた売り文句をコピーらしくしていきます。
不要な言葉を削除したり、言い回しを変えてみるのです。
今後はiPadを例に解説します。
「いつでもどこでもすぐにインターネットができますよぉ」
↓
「いつでもどこでも、すぐにインターネット」
「映画も音楽もメールもインターネットも読書もこれ一台。もう、パソコン なんて時代遅れ。iPadですよ~」
↓
「パソコンなんて、もういらない」
「スマホとiPadがあれば、充分だ」
気軽な気持ちで楽しく取り組み、コピーライターとしての基本を身につけていきましょう。