コピーのつくり方

たった一行で心をつかむ。プロが教える“刺さるコピづくり”の秘密 23個

2025年5月23日

1. 【誰に向けて書くか】を明確にする

キャッチコピーは「ターゲット次第」で言葉が変わります。

たとえば、同じ商品でも…

若い女性向け → 「キレイになりたいあなたへ」

会社員向け → 「疲れた夜に、ひと息つく時間を」

など、相手によって言葉の刺さり方がまったくコピー変わります。

ペルソナ(具体的な人物像)を1人決めることで、刺さるコピーが作りやすくなります。

キャッチコピー

 

2. ベネフィットを伝える

商品の特徴(スペック)ではなく、「使ったあと、どうなるか?」を伝えることが重要です。

NG:「高濃度ビタミンC配合」

OK:「透明感のある、うるツヤ肌へ」

人は「自分にとって得かどうか」で動きます。

機能ではなく、消費者の未来の姿を見せてあげましょう。

 

3. 意外性やギャップを盛り込む

読み手の「えっ!?」という感情を引き出せると、心をつかめます。

▶ 例:

「日本一まずいラーメン屋」

逆に気になる

「3日で辞めた会社に、今感謝している」

続きを知りたくなる

人は違和感に反応します。
常識を少しズラす発想がキーポイントです。

 

4. 音のリズムを意識する

キャッチコピーは目だけでなく、耳でも読まれています。

声に出したときにリズムがよいか、語呂がいいかを意識しましょう。

▶ 例:

「うまい、早い、安い。」

「お金より、大事なものがある。」

五七調や三段構成(例:◯◯、◯◯、◯◯)など、音の響きが良いと記憶に残りやすくなります。

 

5. 多数のキャッチコピーを考える

プロでも、1本目で決まることはほとんどありません。
最低でも30本くらいは書いてみましょう。

その中から「これだ!」という1本を選びます。

コピーづくり

6. 言葉の「温度感」を合わせる

商品の世界観とコピーのトーン(言葉の温度)がズレていると、読まれません。

高級ブランド → 「あなたを格上げする、一着。」

大衆向け → 「毎日着たくなる、ふつうがいちばん。」

カジュアルにするか、フォーマルにするか。
柔らかい言葉か、硬い言葉か。

言葉の選び方ひとつで、ブランドイメージが左右されます。

 

7. 読み手の「言いたかった言葉」を代弁する

自分でも気づいていなかった「本音」をズバッと言い当てられると、共感が生まれます。

気づいていない本音とは、「インサイト」とも言います。

▶ 例:

「ちゃんとしなきゃ、に疲れたあなたへ」

「もう、“普通”に戻らなくていい。」

読者の心の中のセリフを想像し、それをそのままコピーにします。

共感こそが、心を動かす第一歩です。

 

8. 「行動」を促す言葉を入れる

人を動かすキャッチコピーには、読んだ後に「何かしたくなる」力があります。

▶ 例:

「今すぐ、鏡を見てください。」

「あなたも今日から、始めませんか?」

単なる説明ではなく、行動の呼びかけを入れるという手法もあります。
特にWeb広告はDMなどで有効です。

 

9. 否定・反論を先に入れる(あえて逆をつく)

「でも」「しかし」「とはいえ」で始まるコピーは、人の注意を引きます。

▶ 例:

「ダイエットに失敗したあなたに、聞いてほしい。」

「お金がない。でも、夢はある。」

あえて読者の不安や反論を先回りして認めることで、信頼感と関心が生まれます。

 

10. コピーを「詩」として読んでみる

プロのコピーは「詩」としても読めるほど美しい構造になっていることもあります。

▶ 例:

忘れられない夏がある。

それは、冷たくて、熱かった。

構成、リズム、余白を意識すると、コピーの表現力がぐっと上がります。

 

11. 1単語で世界を変える:「言い切り・断定」で強くする

ふわっとした表現ではなく、「言い切り」にするだけでコピーの説得力が爆上がりします。

▶ 例:

△「きっと、変われるかもしれない」

◎「変われる。絶対に。」

断言することで読み手の背中を押す力が生まれます。

 

12. 余白で読ませる:「あえて書かない」勇気

プロは「説明しすぎない」ことを大切にします。

あえて曖昧にすることで、読み手に想像させ、感情移入を促します。

▶ 例:

あの夏、
僕らはまだ、
知らなかった。

このように、余白や行間の使い方が上級者の証です。

コピーライティング

 

13. ひとことの「引っかかり」をつくる

すらすら読めるコピーより、「ちょっとひっかかる」コピーのほうが記憶に残ります。

▶ 例:

「恋より、うまいかも。」

「人生、味つけが9割。」

この“引っかかり”は、言葉遊び・比喩・倒置法・矛盾表現などでつくれます。

 

14. 自分に話しかけられているように感じさせる

コピーに「あなた」「君」「〇〇さん」などの呼びかけ言葉を入れると、グッと距離が近くなります。

▶ 例:

「そこのあなた。その悩み、そろそろ終わりにしませんか?」

「君の未来に、火を灯すノート。」

まるで自分のことを見ているかのように感じさせる。これが刺さる秘訣です。

 

15. 「対比」でインパクトを出す

人は比較されることで強く印象を受けます。あえて真逆の言葉を並べてギャップをつくる技法です。

▶ 例:

「過去は捨てた。未来だけ着る服。」

「強くなりたい。弱さを受け入れたその日から。」

このコントラスト効果は、深く刺さる表現をつくる上で非常に有効です。

 

16. 「事実 × 感情」で仕上げる

ただの事実に、感情のスパイスを加えると一気に人の心に刺さります。

▶ 例:

「糖質80%オフ。だから嬉しい。」

「年間1万個売れてます。理由は、食べればわかる。」

ロジック+エモーションの掛け算が、納得と共感の両方を生みます。

 

17. 「他の言葉」を参考にする

実はプロは、生活者のリアルな言葉をコピーにすることがあります。

▶ やり方:

SNS、口コミ、レビュー、掲示板などを見る

その中から「感情がこもった言葉」「ちょっと変わった表現」を抽出

それを磨いてキャッチコピー化する

 

▶ 例:

口コミ:「このクリーム、夜塗ると朝モチモチで感動した!」

→ コピー:「朝、モチモチの奇跡を起こすクリーム。」

“作る”より“拾う”方が、刺さる言葉が見つかることも多いです。

18. 読み手の「自尊心」をくすぐる

プロのコピーは、読者の自己肯定感やプライドを満たす設計がされています。

▶ 例:

「あなたには、選ぶ自由がある。」

「流されないあなたへ。」

「ちゃんと頑張ってる人だけに。」

誰でも「自分は特別」と思いたい生き物。その承認欲求を言語化することがコツです。

 

19. 「後ろに本音を入れる」テクニック

コピーの最後に「ズバッと本音」を差し込むことで一気にインパクトを与えます。

▶ 例:

「私は、私を諦めない。──もう限界だけどね。」

「ダイエットに成功しました。3日だけだけど。」

この“オチ”があることで、共感・驚き・笑い・リアリティが一気に高まります。

 

20. 「知らなかったこと」で始める

人は、“自分が知らなかった事実”を見たとき、自然と続きを読みたくなります(カリギュラ効果)。

▶ 例:

「知らないうちに、3kg痩せてた話。」

「99%の人が気づいていない、睡眠の事実。」

“気になる導入”があると、自然に続きを読みたくなります。

 

21. わざと「違和感ワード」を入れる

あえてちょっと引っかかる言葉や文法ミスっぽい言葉を入れると、脳が「なんだ?」と反応します。

▶ 例:

「大丈夫じゃないのに、大丈夫って言うあなたへ。」

「やばい、野菜がうますぎる。」

正しさより“面白さ”や“リアルさ”を狙いに行くテクニックです。

 

22. 読後に「勝手に続きを考えてしまう」終わり方

あえて途中で止めることで、脳が勝手に続きを妄想します。

▶ 例:

「君が笑った。僕は、」

「本当は、全部言いたかった。」

この「読後の余韻」は、記憶に残りやすく、感情に深く刺さる技法です。

 

23. 「お客さんが絶対に使わない言葉」は使わない

プロは、専門用語やマーケティング的な言い回しを避けます。

なぜなら、読み手の脳内に存在しない言葉はスルーされるからです。

×「ROIが高い商品設計」

〇「ムダなお金を使わずに、ちゃんと売れる。」

コピーは“読まれる”前に、“理解される”必要があります。

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