もくじ
特別講義 第2回「コピーライティングスキルを向上させるには?」
コピーライティングの技術を向上させる最も良い方法は、実際に仕事をすることです。
私自身コピーライターになって20年以上がたちますが、それが一番だと思っています。
実際の仕事においては、クライアントがおり、コピーに対してさまざまな要求をしてきます。
クライアントは、
「いや、そういうことではないんだ」
「特徴よりも消費者のメリットに焦点を当てて欲しい」
「新しい切り口を見つけてくれ」
「インパクトのあるコピーを」
「ひとひねりしたコピーを」などとあれこれと求めてきます。
プロは、要望に応えるためにさらに良いコピーを書き上げなければなりません。
そうでないとお金になりませんので一生懸命頭を捻って考えます。
コピーライティングは、クライアントの要求に応えようと努力することによって、最も磨かれていくものです。
しかし、これからコピーライターになろうとしている人は、どうしたら良いのでしょうか?
仕事以外でコピーライティングスキルを向上させる方法についてお話したいと思います。
「コピーコンテスト」で腕試し
ひとつの方法としては、あちこちで開催されているコピーコンテストや標語、ネーミング募集企画に応募するという方法があります。
締め切りがあり、入賞すれば賞金などをもらえるので、モチベーションに上がりますね。
コピーコンテストへの応募は、独自でテーマを決めコピーを書く練習などを行うよりも勉強になることでしょう。
継続して開催されている「宣伝会議賞」などは、過去の受賞作品を知ることができますので、目を通しておくことをお勧めします。
そして、受賞作品のコピーのどなんなことろが良いかを自分なりに分析し、考えてみてください。
言い回しが面白いとか、他の人と違った目の着け所で書かれているとか、さまざまな特徴があると思います。
最初のうちは優秀な作品の考え方を真似て書いてみるのもいい勉強になります。
あなたが良いと感じたキャッチコピーのを真似る
どんな勉強も「真似」をすることが基本です。
世の中にあるたくさんの広告の中で、あなた自身が良いと感じたコピーを真似してみましょう。
具体的には、書き写してみるのです。
キーボードで打つのではなく、手書きです。
手書きすると、作者の息吹のようなものを感じることができます。
句読点の使い方や、漢字、ひらがな、カタカナなどの使い分け、微妙なニュアンスまでを感じとることができやすいのが、手書きなのです。
まずは、良いコピーを見つけ出し、それを何度か実際に紙に書いてみてください。
良いコピーを見つけ出すこと自体も、コピーライティング技術を向上する作業のひとつになります。
日頃から「どこかに良いコピーはないか?」と意識して過ごすようにしてみましょう。
「コピーライティング技術を向上させる一番の方法」
コンテストの場合、入賞しなくてもなんの問題もありません。
「選考者に良いコピーを選ぶ目がなかったんだ」と言うこともできますが、実際の仕事でそんなことは口が裂けても言えません。
実際の仕事では、何が何でもクライアントがOKを出してくれるものを仕上げる必要があります。
コンテストのように「締め切りが過ぎたので20案しか出せなかった。だから仕方なかった」と言い訳することもできません。
仕事の締め切りをすぎると広告計画全体に影響が出てしまうこともありますので、納期までにクライアントがOKしてくれるようなコピーを書かなければならないのです。
コンテストの場合はそうではありません。
自分で書いたコピーを応募するだけなので、気楽にチャレンジすることができます。
リラックスした気持ちでコピーを考えることは、自由な発想の助けになりますが、真剣味を書いてしまうというデメリットもあります。
ときには、「これは仕事だ」と思ってコピーコンテストに取り組むのも良いかもしれません。
もし、あなたが既にコピーライターとして仕事をしてるのであれば、クライアントからの批判に耳を傾け、要求に応えられるよう努力しましょう。
時間的および精神的プレッシャーがある中でコピーをつくることにより、技術は格段に向上していきます。
できるだけ早く、コピーを書ける環境に身を置くこと、つまり一日でも早くコピーライターになることが、コピーを上達させる近道と言えるかもしれません。
今はクラウドソーシングなど、インターネット上で仕事ができる時代です。
勉強もしつつ、1日でも早くコピーの仕事ができるよう就職活動や仕事探しを始めましょう。