もくじ
キャッチコピーづくりのテクニックよりも大切な「コピーづくりの考え方」
キャッチコピーの作り方(あるいは考え方)は、何通りもあります。
たとえば、「数字を使う」「不安をあおる」「消費者の声を利用する」「専門家の推薦」といった表現テクニックがあります。
しかし、これらはキャッチコピーづくりにおける表面的なテクニックに過ぎません。
もちろん、上記テクニックは、ある程度の効果を発揮し、商品・サービスの購入・利用を促進する際のコピーづくりに役立ちます。
しかし、表面的なテクニックだけに頼っていては、「人の心を動かす」「人の記憶に残る」ようなキャッチコピーをつくることはなかなかできません。
人々の心に刻み込まれるようなキャッチコピーを作るには、テクニック以前に考えておくべきことがあるのです。
キャッチコピーは「物事をどのように捉えるか」で決まる
キャッチコピーづくりにおいて大切なのは、「物事をどのように捉えるか」という「解釈力」です。
「物事をどのようにとらえるか?」は、言葉として表現を考えることよりもはるかに重要な要素です。
「コップの水」で説明すると、わかりやすいかもしれません。
物事の捉え方を説明するときの代表例なので、ご存じの方も多いことでしょう。
「コップの水は、もう半分しかない」
「コップには、まだ半分も水がある」
同じ物事を指しているのに、捉え方によってプラスにもマイナスにもなるのです。
こんなふうに、キャッチコピーを考えるときには、物事を捉える「解釈力」が大切です。
物事の捉え方の例をいくつかご紹介しますので、キャッチコピーを考えるときの参考にしてみましょう。
価値を高める方法を考える
価値を感じられなかったものでも、捉え方を変えると格段に価値が高まることがあります。
普通の1本の万年筆。
使い古された中古の品です。
かなり古くて使用感もあるので、フリマアプリで売っても、せいぜい3,000〜5,000円くらいでしょうか。
しかし、この万年筆が、映画女優のオードリー・ヘプバーンが使用していたものだとしたら、どうでしょう。
かなりの高値つくと思います。
価値UP
「中古の万年筆」→「オードリー・ヘプバーンが愛用した万年筆」
物事の捉え方を変えることによって価値を高めた例としては、「古着」があります。
「古着」というと、「お古」「中古品」「着なくなったけれど、捨てるにはもったいない服」というイメージですね。
しかし、視点を変えると、
「誰ともかぶらない貴重な1点もの」
「流行に左右されない魅力的な服」
「個性的で深みのある雰囲気を出せる」
と、捉えることができます。
古着の価値を上げる言葉になったのが、「ヴィンテージ」です。
価値UP
「古着」→「ヴィンテージ」
弱みや欠点を良さに変える
デメリットや欠点も、見方を変えれば良さに変えることができます。
「短所は、見方を変えれば長所になる」という考え方を、就職活動のノウハウ本ど読んだことがある人も多いと思います。
例
「せっかちである」(短所)→「すぐに行動する」(長所)
「ついしゃべりすぎる」(短所)→「人と話すのが好き」(長所)
「弱みや欠点を良さに変える」だけでなく、「ネガティブな要素をポジティブに変換する」と考えてもOKです。
たとえば、「こんまりメソッド」や書籍「人生がときめく片づけの魔法」でも有名な近藤麻理恵さんの考え方は、「モノを捨てる」「不要品を処分する」といったあまり楽しくない行為を、楽しいものに激変させました。
日本人、特に年配者の人たちは「モノを大切にする」習慣が身についてるため、「やたらとモノを捨てる」ことに抵抗を感じることも少なくありません。
しかし、近藤麻理恵さんの片付け術の根底には、「モノを大切にする」「好きなものはとっておく」という非常にポジティブな考え方があるため、世界中の幅広い世代に受け入れられることになったのです。
ポジティブに変換
「不要品処分」→「ときめき片付け」
立場を変えて考えてみる
誰でも「手を洗う」「顔を洗う」ことはしますよね?
お風呂に入れば「頭を洗う」こともするはずです。
では、お尻はどうでしょうか?
ここで、いったん自分が「おしり」になったつもりで考えてみましょう。
おしりからは、「う○こ」を出しますよね。
おしりの立場からしたら、「う○ん」を出したら、キレイにして欲しいですよね?
手、顔、頭などと同じようにちゃんと洗って欲しいと思うはず。
紙で拭いてもらうのもいいですけど、まるでお風呂に入ったときのように、温水できちんと洗ってもらえたら・・・。
どんなに嬉しいことでしょうか。
「おしりだって、洗って欲しい」
これは、ウォシュレット(TOTO)が世の中に初めて登場したときに使われたキャッチコピーです。
モノの気持ちになる。
そんな視点で考えられたコピーです。
また、「相手の立場になる」「誰かの立場になって考える」という考え方も参考にしてみましょう。
視点を変える
「自分」→「自分以外の視点」
「考え方」は無数です。
まだ誰もが思いついてない新しい考え方、捉え方を、ぜひ見つけてみてください。