ブランド構築・ブランディングでよく見かける失敗事例
コピー大学では、実際にブランディグを行った大企業・中堅企業、自治体を訪問し、話を伺いました。
社名は公表できませんが、いずれも名前が知られた企業や自治体です。
残念ながら、うまくいったという話はほとんどありませでした。
全社的に宣言してブランディングをスタートさせたが、「打ち上げ花火で終わってしまった」とか、けっきょく何をやったのかよくわからなかった」というのが関係者の本音です。
こうした例は、それなりの企業規模の企業や、大都市における都市ブランディングでも数多く見受けられます。
なぜ、うまくいかないのでしょうか。
まざまな要因がありますが、主に以下の2つのパターンがありました。
1つ目は、ブランディングについて「あいまいな理解」の状態で進めてしまうことです。
企業規模などによっても異なりますが、ブランディングを推進するにあたっては、多くの人たちがかかわります。
全社的なプロジェクトとして進める場合が多いので、関係する部署も増えますし、外部に協力を仰ぎます。
当然、ブランディングにかかわる人数が増えるわけですが、関係者ひとり一人が「ブランディグとは何か?」をきちんと理解していパターンが非常に目立ちます。
なぜ、そうなってしまうでしょうか。
ブランディングは一般的な言葉になっており、「ブランディングって何? 何をすればいいの?」と今さら聞けないということもあるようです。
また、誰かに聞かれたときに「ブランディングをきちんと説明する自信がない」ので、あいまいなままにしてしまっているケースもあるようです。
しかし、あいまいなままでは、あいまいな結果しか生まれません。
もう1つの要因は、あれもこれもやろうとして詰め込み過ぎてしまうことです。
社名を変える、ブランドメッセージをつくる、キャラクターをつくる、マスコミに大きな話題として取り上げてもらうための仕掛けをするなど、多くのことを一度に行おうとして収拾がつかなくなってしまったり、力が分散してしまったり、尻すぼみに終わってしまうケースが少なくありません。
それでは、どうやって進めていけばいいのでしょうか。
「ブランディングを行う」ということを考えずに、「テーマを絞ってブランドの構築を行う」ことです。
これは、ブランディングの1つの手法に過ぎませんが、目的が明確になり、共通認識を持ちやすいので、うまくいく方法です。
ブランディングを行うという考えを捨てるとうまくいく
「ブランディングを行う」ということを考えずに、「テーマを絞ってブランドの構築」を行う。
これは、ブランディングの1つの手法に過ぎませんが、目的が明確になり、共通認識を持ちやすいので、うまくいく方法です。
たとえば、
「ブランドメッセージをつくる」
「社名変更を行う」
「VI(ビジュアル・アイデンティティー)を行う」
「企業理念体系の構築やクレドをつくる」
「社員の士気や求心力を高める」
「会社や商品のイメージや知名度をアップする」
「話題をつくり、マスコミに取り上げてもらう」
「売上を上げる施策を行う」
「web上でファンの囲い込みを行う」
「潜在顧客(見込み客)の集客する」
といったように、テーマを細分化して取り組みます。
自治体の場合であれば、
「観光客を増やす」
「特産品、名産品を開発する、PRする」
「企業誘致を図る」
「住みやすい街づくりを行う」
などといった感じです。
「何をするかを具体的に決めて1つずつ実行してみる」ことも検討してみましょう。