わずか数文字、たった一行ですべてを伝えるのが「キャッチコピー」
キャッチコピーづくりで押さえておくべきポイントは、いろいろあります。
・消費者の興味を惹けるか?
・印象に残るか?
・消費者をその気にさせることができるか?
・商品やサービス、会社を好きになってもらえるか?
・消費者の心をつかむことができるか?
ほかにも意識しておくべき点はいくつかありますが、最も基本的かつ重要なことがあります。
「かっこいい言葉や粋な言い回しの表現を考える」といった類いではありません。
もっと基本的なことです。
それは、
「相手に伝わるか?」
です。
キャッチコピーは、とても短い言葉です。
その短い言葉で、意図したことを見ず知らずの人に伝える必要があるのです。
では、「伝える」とは何でしょうか?
あなたが伝えたことが、相手は本当に理解しているとは限らない
人は、しばしば「言った」ことは「相手に100%伝わっている」と思い込みがちです。
しかし、
「あなたが言ったこと」≠「相手が捉えたこと」
という場合が多いのが現実なのです。
たとえば、あなたが、里山のある田舎で見た秋の夕日のことを思い出して、
「夕日を見てると、心が癒やされるよね」と言ったとします。
そして、相手も「そうだよね」と同意しました。
ある意味、コミュケーションは成立しているようにも思えますが、100%ではありませんでした。
なぜなら、相手は去年行ったハワイで見た夕日を思い出して言っていたからです。
「そんな些細なこと」
そう思う人もいるかも知れませんが、些細なコミュニケーションギャップが生じただけでも、コピーライターにとっては命取りになってしまいかねないのです。
もう1つ例を挙げて説明します。
奥さん「ようかん食べる?」
ご主人「いいね。食べようか」
奥さん「どれくらいの幅がいい?」
ご主人「厚めに切って」
奥さん「厚めね。はいわかりました」
さて、奥さんは、ようかんを何センチの厚さに切ったでしょうか?
ご主人は、何センチくらいの厚さのようかんを期待していたでしょうか?
お互いの頭の中のイメージが一致して、コミュニケーションは成立する
「私は、ちゃんと言った」
「相手に伝わっている」
「それくらいわかるでしょ」
職場や家庭でも起こりがちなことですね。
コピーライターを目指す人や、コピーライティングスキルに磨きをかけようと思っている人は、文章力やテクニックだけでなく、日常生活で「自分の意図が相手に100%伝わるか?」を意識したコミュニケーションを心がけると良いでしょう。
伝わるコピーを作るテクニックは、「数字を入れる」「固有名詞を入れる」「わかりやすい言葉を使う」「似たような例でたとえる」など、たくさんあります。
しかし、「伝える」「伝わる」ことの本質を理解しておかないと、「テクニックを使ったキャッチコピー」の域を出ることはできません。
基本をしっかりと押さえておけば、いくらでも応用が利きます。
あなたの頭の中のイメージ=相手の頭の中に浮かぶイメージ
このことを常に意識しておきましょう。