企画書づくりのコツ1 考えたことを書くだけ
「どうやって企画書をつくっていいかわからない」
そんな方もいるようですが、難しく考える必要はありません。
企画書づくりのコツは、シンプルに考えることです。
おそろく、アイデアを考える前から「企画書」を作り始めることは、あまりないでしょう。
最初に、ある考え(アイデア)があって、その価値や説得力を高めたりするために、企画書をつくるという順序が一般的だと思います。
すでにアイデアがあるのなら、企画書づくりは簡単です。
そのアイデアが考えるに至ったプロセスをまとめればいいのです。
例をあげて解説していきます。
社員20人ほどの小さな会社の社員旅行企画
企画立案者は、社員旅行の幹事です。
背景
その会社では社員の親睦を図るために、毎年欠かさず社員旅行を実施していました。
時期は、8〜10月の間。
これまでに行ったところは、伊豆、箱根、熱海など関東周辺の温泉旅行が定番でした。
今回幹事になったのは、入社3年目の20代の若手社員です。
彼自身、温泉旅行にはあまり興味をそそられませんでしたし、過去2年参加して、内心「温泉はもういんじゃないかなぁ」と感じていました。
そこで、大胆にも「海外に行きたい」と考えました。
彼自身、海外に行くが好きでしたし、きっと皆も盛り上がるだろうと考えたのです。
しかし、会社の人たちを説得するのが難しそうです。
「今年の社員旅行は海外に行きます!」などと言おうものなら、即座に
「海外に行く予算なんてないだろ!」
と反論されてしまうことは目に見えていました。
ちなみに、今まで社員旅行に費やしていた金額は1人当たり約20,000〜25,000円です。
社員旅行の費用は、親睦会費という名目で毎月積み立ているお金を充当していました。
いくら何でも、20,000〜25,000円で海外旅行に行くには難しそうです。
そこで彼は、
「1回社員旅行をお休みして、2年間貯費用を貯めれば海外に行ける!」
と考えたのです。
2年間で5万円の積み立て。
プラス会社から一人当たり1万円で6万円。
これなら、グアムかサイパンあたりに行くのに十分です。
幹事の彼は、全社員に納得してもらいもらうために、企画書をつくることにしました。
以下がその内容です。
わずかA4サイズ2ページのとてもシンプルな内容ですが、これも企画書です。
※ちなにみ、この企画書に旅行パンフレット数冊を添付して全社員ミーティングで発表し、全員一致で可決したそうです。
次回の社員旅行の企画
伊豆、箱根、熱海、草津、伊香保・・・。時にはペンションに泊まり、テニス大会やゴルフコンペなど、これまでに楽しい社員旅行をしてきました。
「もう行くところがない?」
というほど、ほぼ関東近郊の目ぼしい観光地は行き尽くしてしまいまいました。
そこで、次回の社員旅行は「遠くへ行きたい!」をテーマに、海外旅行にしようと思い立ちました。
「そんなのうちの会社じゃ無理だよ」
という声が聞こえてきそうですが、工夫すれば十分に実現可能です。
もしも、当社の社員旅行が海外なったら、どんなことが起こるでしょうか。
まず、盛り上がります。
海外というだけでテンションが上がります。
これまでと違った体験をすることで、発想が広がり、質の高い仕事へとつながります。
楽しい社員旅行を実施することで、よりいっそう社員の親睦が深まります。
当社の社員旅行と言えば、たいていは温泉場でした。海外旅行に行こうとは、誰も考えたことがありませんでした。
それはなぜか。
最初から「無理だろう」と思い込んでいたからです。
でも「やろうと思えば、たいていのことは出来る」のです。
社員旅行を海外にすることで、そうした思い込みが払拭され、必ず仕事にもいい影響を与えることになると考えています。
まとめ
社員旅行の企画内容
社員旅行(海外)の実施時期:
2年後の9月 2泊3日 (金曜の夜便で出発)
場所:サイパン
予算:56,000円/1人
課題:予算の不足(現状では、1人あたりの予算は25,000円)
解決策:1回社員旅行を休止(もしくはごく小規模なイベントに変更)し、費用をプールし、翌年に海外へ。
※パスポートの取得費用は自己負担。現地での1回分の夕食は自己負担。
添付資料 サイパン旅行のパンフレット
「こんなに簡単な企画書でいいの?」と思う方もいるかもしれませんが、企画書の目的は、提案を受け入れていもらい実現することです。
体裁などにこだわらず、状況に応じて「企画を通すにはどうすれば良いか?」を考えてつくりましょう。
企画書を簡単につくるコツ2 情報を集め過ぎない
最初から立派な企画書をつくろうとしないことです。
1つめのコツと似ていますが、最初から数十ページもの分厚い企画書を作ろうとか、データや調査資料、参考事例などをふんだんに盛り込もうと考えない方がスムーズにつくれます。
最初からたくさんの資料を調べたり、検索して情報を集めすぎると、あれこれと盛り込みたくなってしまい、支離滅裂な企画書になってしまうケースが少なくありません。
多くの資料やデータがあると、説得力が増すような気がしますし、「すごい企画だ!」と自分の企画に酔ってしまうこともあります。
「けっきょく何がいいたいの?」
そんな企画にならないようにするためにも、できるだけシンプルに作るように心がけましょう。
「説明が足りない」「裏付けが弱い」などと感じたら、その分を後から付け足せばいいのです。
企画はシンプルにつくる。
まずは、そこからスタートしましょう。
あれもこれも盛り込みたくなってしまうので、最初から情報を集めすぎないように気をつけましょう。
企画書を簡単につくるコツ3 パソコンを使わない
「パソコンを使わないでつくる」こと。
これが3つめのコツです。
「何を時代遅れなことを!」と思う人も多いかも知れませんが、あえて、パソコンを使わないことを提案します。
企画書を作成するに際に思い浮かぶのは「PowerPoint」です。(Macユーザーの方は「keynote」でしょう)
多くの方は、企画書作成となると、PowerPointを立ち上げてしまうことでしょう。
そして、画面を見ながらタイトルを入力したり、フォントの種類やサイズなどを調整したり、グラフを作ってみたり、写真やイラストを挿入してみたりなどするでしょう。
あるいは、こんなことも起こります。調べ物をするためにネットで検索しているうちに、いつの間には関係ないサイトを読んでいた・・・。
と、気づかぬうちに無駄な時間を費やしてしまうことあるのが、インターネットに簡単に接続できる環境のデメリットです。
PowerPointなどのソフトを使うのは、企画書作成の最後の仕上げだけにしましょう。
その方が、効率的に企画書の作成が行えます。
実際に、ある企業がパソコン使用の制限を行ったところ、業務効率がスピードアップしたという結果になったそうです。
step
1ノートやコピー紙などを使い、アイデアや構成案を先につくる。
step
2構成案に従って、文章を書く(この段階ではテキストエディタなどを使ってもいいでしょう)
step
3PowerPointなどを使って企画書に仕上げる。