もくじ
電話営業は、意外な穴場です
「今どき電話営業?この時代にそんなのアリ?」
と、思う人もいるかもしれませんが、インターネットが普及している時代だからこそ、電話営業が力を発揮することもあるのです。
今やメール営業は当たり前。
ほとんどの場合、スルーされてしまいます。
よほどタイミングが良いか、メールに書かれている内容が魅力的でない限り、ゴミ箱行きです。
それに、ほとんどの人がテンプレートを作ってメール営業しています。
フリーランスで電話営業をしている人は少ないということ。
だからこそ穴場なのです。
電話営業する前の準備 営業リストの作成
最初にやることは、営業先のリストづくりです。
1件見つけて電話して、また新たに1件見つけて電話して、という繰り返しだと非効率。
作業は分けて、1つずつ集中してやったほうが効果的で、時間短縮にもなります。
ポイント
1.営業候補探し
2.電話営業
3.面会(訪問もしくはオンライン面会)
インターネット上で「広告代理店」「広告制作会社」「デザイン会社」「Web制作会社」などを検索します。
1語のキーワード検索ではなく、「広告代理店 渋谷区」など、地域を絞って探すのがお勧めです。
「近場だと直接訪問しやすいので、親近感を持たれやすい」「仕事を受注したときの行き来がラク」というメリットがあります。
また、「近さ」というのは武器になります。相手にとって、何かあったときにすぐに対応してくれそうだと思われるからです。
フリーのコピーライターが仕事を獲得するための電話営業のポイント
まず、最初にお伝えしたいのは、電話営業は「断られるほうが多い」ということです。
コピーライターなどまったく必要としないデザイン会社や制作会社も数多く存在します。
また、タイミングによっては充足しているというケースもあります。
そんな場合は、出来るだけ手短に電話を終わらせるようにしましょう。
大切なのは『仕事をくれる可能性がありそうな見込み客』を探すことです。
・断られたからと言って、いちいちガッカリしない。
・ひたすら数をこなす。
この2つがポイントです。
実際に私が試した営業トークはこうでした。
Aパターン
「フリーでコピーライターをやっている●●です。外部スタッフとしてお手伝いしたいと思っているのですが、ご担当者の方はいらっしゃいますか?」
Bパターン
「フリーのコピーライターです。御社のお手伝いをしたいと思っているのですが、プロデューサーかディレクターの方に電話を回していただけませんでしょうか?」
最初は、
「御社では、外部のコピーライターに仕事を依頼するケースはございますか?」
という営業トークを使っていたのですが、これには欠点がありました。
「ない」と言われてしまうと、会話が先に進みにくいからです。
しかし、A・Bパターンの場合だと、電話を受けてくれた人が、
「こういう場合の担当者は誰だろう?」とか「それなら、●●さんがいいかな」と考え、電話を回してもらえる確率が高まったのです。
会社によって異なりますが、外部スタッフに依頼する人は、プロデューサー、ディレクター、デザイナー、営業など様々です。会社によっては外部スタッフを取りまとめている専任の担当者を設けている場合もあります。
外部スタッフに依頼する可能性がある人物に電話がつながったら、まずは作品集や過去の制作物を持参して訪問(またはオンライン面談)したい旨を伝え、アポイントをとります。
見込み客を探す→電話でアポを取る→訪問する
というのは、どのような業種においても営業の基本です。
私が最初に電話営業したときは、2社のクライアントを見つけました。
1社は、自宅から2駅ほどの距離にあった中堅の印刷会社です。
その会社は外部のコピーライターを使ったことがありませんでしたが、近くだったこともあり、「じゃあ、一度遊びに来てください」といった気軽な感じで応じてくれました。
「近さ」という武器が功を奏したのです。
その企業は、コピーライターを使って仕事をするという概念すらない印刷会社でした。主に新聞折込のチラシを制作しており、社内にデザイナーを大勢抱え、コピーはデザイナーが書くか、クライアント支給で行っていました。
しかし、競争が激しかったため、他社との差別化を図るために企画力を強化したいと考えていたところだったのです。
最初はコピーの仕事ではありませんでしたが、企画立案という仕事をいただくことができ、年間100万円ほどのクライアントになりました。
もう1社は、社員数5名ほどの小さな広告代理店です。
コピーライターから営業の電話がかかってきたことが初めてだったので、とても驚いていました。また、珍しがってくれたこともあり、すぐに会ってくれました。仕事の量は少ないですが、それなりに有名な雑誌の広告案件をいただきました。
営業先の穴場の見つけ方
私は30年程前、小さな広告制作会社に勤めていました。
一時期、フリーのカメラマンやデザイナーからの売り込みが集中したことがあったのです。
当時は、インターネットはありませんでしたし、小さな会社だったので、どうやって当社のことを知ったのかが不思議で仕方ありませんでした。
そして、営業に来たカメラマンやデザイナーさんに、
「どうやって当社のことを知ったのですか?」と尋ねたのです。
答えは「求人誌を見ました」というものでした。
当時、アルバイトを募集するために求人誌に広告を出していたのです。
なるほど。と思いました。
今は、多数の転職サイトが存在しています。
その中で、「コピーライター募集」という会社があれば、コピーライターを必要としているということです。
また、転職サイトから「デザイナー募集」「カメラマン募集」「ライター募集」「ディレクター募集」といったキーワードで探してみるのも良いでしょう。
クリエイティブな仕事をやっている会社は、コピーライターを必要としている可能性があるからです。
読者相談室
Q.営業などしたことがありませんが、私にもできるでしょうか?
A.独立を目指している多くの方が「営業は苦手」「営業ができるか不安」という悩みを抱えています。
私自身もそうでしたし、できるなら営業などしたくないと思いました。
しかし、顧客がいなければフリーとしてやっていくことは不可能なので、必要に迫られて営業をすることになりました。
最初に電話をかけたときは、とてもどきどきしましたし、訪問を断られたときは随分と落ち込んだものです。
しかし、1年中営業電話をする必要はありません。数社のクライアントを見つければ、営業は不要になります。
電話営業は、電話をかけて「一度お会いできませんか?」と尋ねる、とても簡単な作業です。
慣れてしまえばどうということもありませんし、実際に営業活動を行うことによって、様々な発見やチャンスに巡り合うことができます。
アドバイスとしては、スケジュールを決めて集中的に営業を行うことをお勧めします。1日100件電話するなどと目標を決めることも営業にとって有効な方法です。
とにかく、チャレンジしてみましょう!