ラブレターとキャッチコピーには、よく似ているところがあります。
どちらも大切なのは、うまい言葉を書くことではありません。
「この人は、私のことをわかってくれている」
そう感じてもらうことです。
もくじ
相手の心をつかむには、相手の気持ちを考える
ラブレターを書くと、多くの人は自分の気持ちを伝えようとします。
「あなたが好きです」
「ずっと一緒にいたいです」
「誰よりも大切にします」
もちろん、気持ちは伝わります。

しかし、これだけでは「書き手の思い」を並べているだけです。
相手の心をつかむには、自分ではなく、相手に焦点を当てる必要があります。
たとえば、
みんなが話しているとき、あなたはいつも、話に入れていない人にさりげなく声をかけるよね。そんなところが素敵だと思いました。

この文章には、相手にしか当てはまらない具体性があります。
「自分でも気づいていないところを見てくれていた」
そう感じた瞬間、言葉は急に「自分のこと」として感じられるようになります。
コピーも同じです。
「高品質です」
「便利です」
「あなたにおすすめです」
と書くだけでは、読み手の心には届きません。
読み手が抱えている悩みや願い、まだ言葉にできていない気持ちまで言葉にする。
すると、読み手は「これは私のための言葉かもしれない」と足を止めます。
相手の心を動かすには、未来を見せる
心をつかむことと、心を動かすことは少し違います。
心をつかむ言葉は、相手に「わかってくれている」と感じてもらう言葉です。
心を動かす言葉は、「この人と一緒なら、こんな未来があるかもしれない」と想像させる言葉です。
たとえば、
あなたを幸せにします。
これだけでは、少し抽象的です。
一方で、
うれしいことがあった日は一緒に笑って、落ち込んだ日は無理に励まさず、隣にいられる人になりたいです。
これは、二人で過ごす場面が浮かびます。

人は、説明だけではなかなか動きません。言葉によって自分の未来を想像できたときに、気持ちが動き始めます。
商品やサービスのコピーでも同様です。
「軽くて使いやすい掃除機です」と書くよりも、
「仕事から帰ったあとでも、気になったゴミをサッと片づけられます」と書いたほうが、商品を使っている自分を想像できます。
商品の特徴を伝えるだけでなく、その商品によって生活がどう変わるのかを見せる。
これが、人の心を動かすコピーです。
きれいな言葉より、本当の言葉を書く
ラブレターで最も避けたいのは、どこかで聞いたような言葉ばかりになることです。
「世界で一番愛しています」
「君なしでは生きていけない」
「運命の人だと思っています」
言葉は強いのですが、誰にでも書けてしまいます。
コピーも、強い言葉を使えば心を動かせるわけではありません。
「人生が変わる」
「圧倒的な効果」
「今までにない」
「絶対におすすめ」
こうした言葉を重ねても、具体的な根拠がなければ読み手は疑います。
それよりも、次のようなことを、自分の言葉で書くことです。
・相手のどこを見ていたのか
・どんな瞬間に心が動いたのか
・相手とどうなりたいのか
・なぜ、ほかの人ではないのか
心を動かすのは、言葉の大きさではありません。
その人にしか書けない「具体的な事実」です。
ラブレターは、コピーライティングの基本を教えてくれる
心をつかむラブレターには、次の要素があります。
- 相手をよく見ている
- 相手にしか当てはまらないことを書く
- 自分の気持ちを押しつけない
- 二人の未来を想像させる
- 借り物の言葉ではなく、自分の言葉で伝える

これは、そのままコピーライティングにも当てはまります。
コピーとは、言葉で相手を無理に動かす技術ではありません。
相手をよく見て、気持ちを想像し、その人が求めている未来を言葉にすることです。
だから、ラブレターを書くつもりでコピーを書くと、文章は変わります。
「自分は何を伝えたいのか」だけではなく、
「相手は、どんな言葉なら受け取りたくなるのか」
を考えるようになるからです。
うまいことを言おうとしなくていいのです。
たった一人の相手を思い浮かべて、その人の心に届く言葉を書く。
それが、コピーライターに必要な「人の心に届く言葉を書く力」なのです。